操作してはいけないブレーカー。低圧電気取扱特別教育

電気安全

どうもカタサンです。

今回は電気安全がテーマです。

現場でよく見かける制御盤等の中にあるブレーカーの操作について一緒に考えましょう。

この記事では、制御盤等を単に「盤」と呼ぶこととし、現場の作業者が操作する可能性の高い低電圧の盤を想定しています。

ブレーカーとは

ブレーカーとは、電気の流れを遮断するための装置のことを言います。

ブレーカーは、盤の中に設置されていることが多いです。

また、その場合は充電部分が露出している状態のものが多いです。

工場のオペレーターやメンテナンススタッフが盤の中のブレーカーを操作することって割とあるかもしれません。

実は、この作業は誰でもやっていいわけではないのです。

なぜ誰でも操作してはいけないか?

法律(労働安全衛生規則)

労働安全衛生規則第36条四には、特別教育を必要とする業務として以下の規定があります。

第36条四 高圧(直流にあつては七百五十ボルトを、交流にあつては六百ボルトを超え、七千ボルト以下である電圧をいう。以下同じ。)若しくは特別高圧(七千ボルトを超える電圧をいう。以下同じ。)の充電電路若しくは当該充電電路の支持物の敷設、点検、修理若しくは操作の業務、低圧(直流にあつては七百五十ボルト以下、交流にあつては六百ボルト以下である電圧をいう。以下同じ。)の充電電路(対地電圧が五十ボルト以下であるもの及び電信用のもの、電話用のもの等で感電による危害を生ずるおそれのないものを除く。)の敷設若しくは修理の業務(次号に掲げる業務を除く。)又は配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧の電路(対地電圧が五十ボルト以下であるもの及び電信用のもの、電話用のもの等で感電による危害の生ずるおそれのないものを除く。)のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務

ここでは、「開閉器」をブレーカーのことと理解していただければ構いません。

つまり、事業者は「充電電路の敷設若しくは修理の業務又は配電盤室、変電室等区画された場所に設置する低圧電路のうち充電部分が露出している開閉器の操作の業務」を行う従業員に特別教育を行わなければなりません。

なお、「充電部分が露出していない開閉器」であれば特別教育は必要ありません。

リスク

盤の中にあるブレーカーは、充電部分が露出している状態のものが多いです。

万が一、充電部分に触れてしまうと感電の恐れがあります。

感電災害は非常に深刻な結果をもたらしますので、充電部分が露出しているブレーカーを操作することは、非常に危険な作業であるといえます。

一歩先へ

ブレーカーの開閉作業を行う作業者に特別教育を行うことはもちろん必要ですが、個人的には、盤を開放する作業に対しても特別教育を実施することをお勧めします。

なぜなら、盤を開ける作業自体が、大きな危険を伴う行為であるためです。

盤の内部は、ブレーカーに限らず充電部分がたくさん露出しています。

盤を開けた時点で、作業者が危険にさらされることになり、万が一接触した場合の被害は甚大なものとなります。

まとめ

ブレーカー操作に限らず、盤を開放する場合にも、特別教育の実施をおすすめします。

その他、災害を防止するために可能な限り安全対策を実施する必要があります。

以下の方法が考えられます。

  • 制御盤等に「開放する者は特別教育の受講が必要」の旨を記した表示をする
  • 制御盤等のキーを特別教育を受講した責任者等に管理させる
  • ブレーカーを盤の外付けにして、制御盤等を開放する必要をなくす
  • OFF位置でないと制御盤を解放できないロック機構付きのブレーカーを設置する
  • 制御盤等内部に充電部保護カバーを設置する

皆さんも、何ができるか考えてみてくださいね。

それではアンタマ。

参考法規等

労働安全衛生規則第36条四

三菱電機HP

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